春以降、コロナ対策の不備から内閣支持率は不支持が上回り続けていた。それが一瞬で逆転した。10日には野党合流新党の代表選も行われたが、まったく注目を浴びていない。コロナ感染も減少局面にあり、それも与党に追い風となる。安倍内閣は選挙に強い内閣といわれてきたが、最後の最後で本領を発揮したかたちだ。もし意図していたとしたら、辞任のタイミングは天才的だったといえよう。

 これはリベラルにとって壊滅的な事態である。8年近い安倍政権のあいだで、リベラルの言葉は痩せ細り、政治家も言論人も安倍批判一辺倒になってしまった。その結果が高い支持率では目も当てられない。反安倍キャンペーンは一部マスコミやネットを賑わせただけで、結局は国民の心に響かなかったのではないか。


 辞任表明の翌日、政治学者の白井聡氏が、首相への共感を表明したミュージシャンの松任谷由実氏について「早く死んだほうがいい」とSNSで書きつけ、謝罪を迫られる事件が起きた。同氏は朝日新聞運営のサイトで安倍政権の期間を「日本史上の汚点」と記しており、こちらも問題になっている。このような罵倒や呪詛に依存しているかぎり、共感が広がることは決してないだろう。リベラルは戦略を切り替え、極端な論者を退場させ、理知的で中道的な支持拡大を目指すべきである。

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 過激な反差別運動の活動家がリベラルを名乗り、一部のメディアと一部の野党の共闘関係を構築し、SNSでの活動を拡散した結果、最も質の悪いANTIFA層がリベラルに大量に流れ込んで、リベラルを致命的に劣化させた。

 安倍政権を悪魔化して、全ての政策や言動に難癖をつける一方で、味方と認識する側の失態全てを擁護する党派性の強さ、安倍政権を少しでも支持したり、評価する者も敵認定して、ネットリンチを繰り返すうちに無党派からも完全に嫌われ、このANTIFA層に阿る野党やメディアの信頼さえをも失墜させた。

 安倍総理への労いを表明したユーミンへの暴言を言い放った白井聡と旭日旗に似たデザインの刺青を公開したフィリピン女性への人種差別を浴びせネットリンチにした韓国の反日集団の思考回路は非常によく似ているが、その手合いがリベラルに大量に流入して、良質なリベラル層を駆逐して、知性の欠片のもない暴言、ヘイトを娯楽にするようなANTIFAの輩が我が物顔でリベラルを名乗っているのだ。

 建前の反差別とか人権重視、価値観の多様性を認め合う社会とは真逆の自分の価値観を押し付け異論を認められないファシズムがANTIFAの実態だけに、過去の建前の言動とファシズム丸出しの発言や行動との整合性を突っ込まれて炎上を繰り返しているのが現在のリベラルなのだ。

 東氏は、「極端な論者を退場させ」と主張するが、党派性が強く対話も困難なANTIFA層に乗っ取られた今はでは極めて困難だろう。彼等はレイシストのレッテルを貼れても、どこがレイシストなのかを全く説明出来ないレベルなのだ。こんなANTIFA層に乗っ取られ多数派のリベラルは建て直しは可能だろうか?

 このリベラルの惨状と、歪んだ反日教育、反日プロパガンダを繰り返すうちに国自体が先鋭化し、大統領自身が「韓国は日本と戦って独立した」と公言し、親日派の墓を暴く法案を成立させようとしている韓国と余りにも似ている。

 リベラルで自浄作用は働くのか?リベラルにシンパシーを感じてない私は対岸の火事として、弁当を広げて見学させていただこう。門外漢ながら勝手に予想すると、少数の良識派が極端な論者を退場させようとするとANTIFA層から総攻撃を受けてパージされて終了、良識派がそれなりの塊になった上で極端な論者を退場させようとすると内ゲバが激化して、最後は山岳ベース事件のようになる未来しか想像出来ない。

 ANTIFA層を大量に流入した時点で詰み、もう打つ手はないだろう。